建築雑誌オールレビュー

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2007年05月30日(水)

[AXIS]5月号 [AXIS]

[AXIS]vol.127 2007年5月号・アクシス・1500円


◇[特集]ブランディングに対するいくつかの反省から 【★★★☆☆】

 「過去2回の特集と連載において『ブランディング最新実践事例』を取り上げてきた。(略)販売や業績が決して好調と言えないものもあれば、すでに消えてしまったものもある。なかには、不祥事や事故による経営問題を抱えている企業も……。(後略)」(冒頭文より)

 これまでの反省を踏まえ、ブランディングの問題点や本質を探るという特集です。

 インパクトが強いのは、“風に吹かれて豆腐屋ジョニー”のキャラクターで有名な「男前豆腐店」(京都府)と、水戸岡鋭治デザインの“いちご電車”やネコの駅長“たま”で話題の「わかやま電鉄貴志川線」(和歌山県)の事例。近傍のIT関係者やオタクたちに人気を呼んでいるという「神田明神」(東京都)も面白い。結論ありきで事例を探したのかもしれませんが、「一般の人に親しみを持ってもらう」というシンプルな成功の秘訣が浮き彫りに。

 ただし記事の構成自体は、通常のブランディング報告の記事とあまり違いがないような気も。それこそ過去に取り上げた事例がどう失敗したのか検証すれば、反省の念が詰まった興味深いレポートになったような気もしますが、まあそれは難しいでしょうか。




◇[記事]カバーインタビュー/ヘラ・ヨンゲリウス【★★★☆☆】

 オランダのプロダクトデザイナー、ヘラ・ヨンゲリウスへのインタビュー。

 クリエイティブに目覚めたきっかけは、「手芸」。「当時のオランダでは、手芸が得意というのはとてもかっこいいことだった」というコメントが興味深いです。

「世界の家具ショッパーの80%は女性です。私はその人たちと同じ眼差しを持っているのです」。と、自らの“オバサン性”を積極的に認めている点も面白いです。

 なお、デザインアカデミーには25歳で行き始めて、30歳で卒業。超遅咲きです。出発時点から若くはなかった、というところが現在のアイデンティティに影響してそうです。




◇[連載]オピニオン2007 石田保夫(SUS代表取締役社長)【★★★☆☆】

 山本理顕や伊東豊雄とのコラボレーションで話題のSUS。その代表取締役社長である石田保夫氏がAXIS編集長のインタビューに答えています。

 石田氏は、1950年生まれで建築学科出身です。都市計画系のコンサルタントを経て、実家が運営する清水機電から分社化したSUSを経営し、FA事業で業績を挙げたそう。

 建築にかかわりはじめたのは02年。その動機には、自分が建築をやりたかったという部分が大きかったと言っています。

 アルミで建築を作るのは、コストや既成概念との闘いがあるようですが、そこは社長の建築愛で乗り切っている模様。




[今号の評者、建築&住宅メディア研究会 平塚桂]

◇平塚桂(ひらつかかつら)
ライター。主に建築について一般誌中心に執筆。たかぎみ江とともに[ぽむ企画]として活動。京都で12年間過ごした後2005年に上京。京都ではデザイン書店「Sfera Archive」店長なども経験。

◇建築&住宅メディア研究会
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