2010年07月29日(木)
[商店建築]2010年7月号 [商店建築]
◇[特集]チャペル&バンケット【★★★★☆】
結婚式や披露宴を執り行うチャペルやバンケットについて、16の事例を紹介する大特集です。特にレストランや料亭、ボーリング場や家電量販店など、さまざまな出自のウエディング施設があることに驚かされます。
そんな転用系の施設を紹介する記事「リノベーション、コンバージョンによるウエディング施設の開発手法」では5つの事例を取り上げ、設計者へのヒアリングを通じて施設転用の心得をまとめています。
その手法は、元の施設のよさを生かすといった、いわゆるリノベーションに主流の方法とは縁遠いもの。地域の人々に知られている以前の施設のにおいを払拭し、なるべく非日常を演出することが必要なようです。
しかしコンバージョンも施設タイプによっては業種ごとに関わる法規への対応がネックになることが多いと聞きますが、さまざまな転用事例がありそうなウェディング施設の場合はどんな状況なのでしょうか。気になります。
◇[レポート特集]アンティークアイテムでつくる世界観【★★★★★】
アンティークアイテムの仕入れや活用法を紹介する特集。古材や廃材をつかった店舗デザインの事例は多く、骨董品などを好むインテリアデザイナーも多いと聞きますが、意外にもこれまであまり見られなかった切り口です。
デザイナーに限らずバイヤーや店舗ディレクター、ファッションデザイナーなど、さまざまな立場から集まった9人の目利きが店舗とアンティークアイテムと店舗づくりについて語り尽くしています。インタビューを中心とした構成ですが、事例と合わせて紹介しており、アイテムをどう使うのかもわかります。
特にバイイングを手がける冒頭3名の話は非常に面白いです。ザ・ビンテージハウスの齋藤博和氏、カジャの渡邊広美氏、NITEN OSAWA ARCHITECTの大澤二天氏。アンティークアイテムの歴史やトレンド、入手手法までかなり突っ込んだ話をしています。
またエイジの佐藤一郎氏がスーパーポテト在籍時(1984〜96年)の古材・廃材入手事情について話しています。これも興味深い。
◇[特集]工場へ行こう!「稲田白御影石」ほか【★★★★☆】
年明けにリニューアルしておよそ半年。今月号は連載が粒ぞろいの面白さです。特に「稲田白御影石」を取り扱った「工場へ行こう!」では採石場のビジュアルをメインに石の加工現場を擬似体験できます。テキストも面白く「東京の街を作った稲田の『白御影石』」の項目では、近代建築の顔を作る素材として発見され、日本銀行などの壁を彩った」……などと稲田白御影石の輝かしい歴史にも触れています。
また「戦後インテリアデザインクロニクル」は内田繁氏へのインタビュー。桑沢デザイン研究所の創設者・桑沢洋子氏の人脈が「アイ・シー・オール」の編集経験で築かれていることや、内田繁氏も学生時代に「Japan Interior」の編集をアルバイトで手伝っていたことなど、興味深いエピソードがいっぱい。
★この雑誌を購入する[今号の評者、建築&住宅メディア研究会 平塚桂]
◇平塚桂(ひらつかかつら)
ライター。主に建築について一般誌中心に執筆。たかぎみ江とともに[ぽむ企画]として活動。京都で12年間過ごした後2005年に上京。京都ではデザイン書店「Sfera Archive」店長なども経験。
◇建築&住宅メディア研究会
代表/細野透
会員/家成俊勝、大津なほ子、北嶋祥浩、北原さと子、黒崎敏、神徳香子、今野靖人、殿木真美子、萩原詩子、平塚桂、守山久子、吉川彰布、脇坂圭一
Posted by 管理者 at 11時30分
