建築雑誌オールレビュー

代表/細野透
会員/家成俊勝、大津なほ子、北嶋祥浩、北原さと子、黒崎敏、神徳香子、今野靖人、殿木真美子、
   萩原詩子、平塚桂、守山久子、吉川彰布、脇坂圭一

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2010年03月15日(月)

[モダンリビング]2010年3月号 [モダンリビング]

[モダンリビング]2010年3月号・アシェット婦人画報社・定価1600円


◇特集[平屋に住みたい] 【★★★☆☆】
 
 リタイア世代狙いなのか、このところ、ハウスメーカーでも「平屋」商品を販売するようになりました。しかし、バリアフリー目的でなくても、確かにここ数年「平屋」の新作が目につくように思われます。ある程度敷地が広くなくては成立しないだけに、贅沢ともいえる建て方。モダンリビングが取り上げるのは、そんな贅沢感のただよう「平屋」です。

 CASE1:方の家 設計:武井誠+鍋島千恵 TNA

 CASE2:鴨居の家 設計:八島正年+八島夕子 八島建築設計事務所

 CASE3:豊前の家 設計:谷尻誠 サポーズデザインオフィス

 CASE4:自分だけの空の家 設計:手塚貴晴+手塚由比 手塚建築研究所

 CASE5:FLAT2 設計:大江一夫 マニエラ建築設計事務所

 CASE6:F−WHITE 設計:山本卓郎 山本卓郎建築設計事務所

 CASE1が軽井沢の別荘、CASE5が田園地帯であるのに対し、残り3軒は住宅街に立地。その3軒が、いずれも内側に開くコートハウスであることが目をひきました。もっともCASE3は、まとまった中庭ではなく、路地状の屋根付き中庭を巡らせる変形コートハウスですが・・・。考えてみれば、平屋なら小さな中庭でも効率よく採光できて、内外の一体感が得られやすい。平屋とコートハウスは相性がいいのですね。

 特集の後半は「平屋の知識」。CHAPTER1では手塚貴晴さん・由比さんに平屋のメリットなどを聞いています。「平屋の最少の延べ床面積の目安は30坪前後」「建ぺい率が60%なら敷地は50坪必要」(階段などがいらないので)「平屋の30坪は2階建ての40坪に匹敵」と、明快な目安を示します。

 CHAPTER2は過去の掲載事例から、「自由な平屋」プラン集。「連棟型」「ストライプ型」「馬蹄型」「ドーナツ型」などプランで個性が表せるのも平屋ならではです。

 CHAPTER3は平屋を多く設計している建築家に聞く「どうして平屋なのですか?」。「敷地全体を有効に使える」「土地との一体感が得られる」「天井高や床高を自由に変えられる」「構造の自由度が高い」などが共通する意見でした。




◇特集[最新住宅2010] 【★★★☆☆】

 この号は表紙にも「実例全42軒」とうたっていて、事例の多さが売り。特集のもうひとつは、特にテーマを定めず、昨年完成したばかりの「最新住宅」を6軒紹介しています。

 MA HOUSE 
  設計:窪田建築アトリエ 窪田勝文
  水盤のある中庭を持つ、全長25メートルの白い箱状の家

 森の棚床 
  設計:フラットハウス 坂野由典
  300坪の森の中に建つ15坪のシンプルな別荘

 Tree house 
  設計:マウントフジアーキテクツスタジオ 原田真宏+原田麻魚
  32個の門型フレームを放射状に並べたユニークな構造

 O邸 
  設計:中山英之建築設計事務所 中山英之
  カーブする「母屋」と、生活の場である「下屋」の組み合わせ

 HOJO 
  設計:アーキテクトン 米田明
  外壁の代わりに水道パイプのスクリーンで覆った「透ける家」

 SSH 
  設計:キューボデザイン建築計画設計事務所 猿田仁視
  4×20mの細長い家。外壁と内壁に杉板のスライスを効果的に利用




◇記事[1,000万円でできる最高のリノベーション] 【★★☆☆☆】

 1000万円以下のリノベーション事例5軒。

 CASE1 設計:成瀬・猪熊建築設計事務所 成瀬友梨+猪熊純+シリ・ザネリ
 CASE2 設計:平岡建築デザイン 平岡孝啓+平岡美香
 CASE3 設計:坂田昭・設計工房CASA 疋田さつき
 CASE4 設計:松浪光倫建築計画室 松浪光倫
 CASE5 設計:マリオ・デル・マーレ 下平万里夫+美濃谷直樹

 CASE1、3、4がマンション、2が日本家屋、5は5階建ての2世帯住宅のリノベーション。1軒1ページと紙数が少ないなかで、ビフォア・アフターの図面やパース、写真でポイントをコンパクトにまとめています。

 しかし、せっかくタイトルで「1000万円でできる」とうたっているのに、どの家もコストについての言及があまりないのが残念でした。




[今号の評者、建築&住宅メディア研究会 萩原詩子]

◇萩原詩子(はぎわらうたこ)
文系住宅ライター。就職雑誌を編集するつもりで入った会社で住宅雑誌編集部に。以来十余年、住宅とその周辺の取材を続けている。著書に「住宅リフォームの値段としくみがわかる本」、共著に「住宅購入チェックリスト」(ともに東洋経済新報社)がある。

◇建築&住宅メディア研究会
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Posted by 管理者 at 11時30分

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